田中 昌子

本の感想

モンテッソーリ教育のポイントがわかりやすくまとめられている。敏感期を逃さず、子どもの援けになっていこうと思う。

本のポイント

【子どもの見方】

  1. 子どもには自己教育力があり、自然のプログラムに従っている

  2. 子どもが主体であり、大人は援助者である

  3. 子どもには敏感期がある

  4. 随意筋肉運動を通して、子どもは人格を形成していく

【子どもの援け方】

  1. 子どもを観察し、子どもにあった秩序ある環境を整える

  2. 子どもが一人でするのを尊重し、必要なだけ手伝う

  3. 言語ではなくやって見せる

  4. 日常の生活をともに丁寧にしていく

0. モンテッソーリ教育とは

  • すべての子どもの為に確立した科学的教育法

  • 「子どもから学ぶ」という姿勢

  • 事実は、先入観や偏見にとらわれることなく、客観的にみることによって得られるもの

  • 子どもに、自己教育力があることを信じ、子どもがやりたがることを、大人の迷惑にならない方法で、心ゆくまでさせてあげるように援助すること

  • 大人と子どもは全く違う、だから大人の物差しで子どもを見てはいけない

  • 子どもの自然な発達を知りその時期に必要な援助を学び、自然と調和するかのように歩調を合わせていく教育

1. 環境

  • 手を出す前に「手伝っていい?」

  • 目的は、平和を愛する調和のとれた人格を育てること

  • 「整えられた環境」子どもの発達や援助に対して最適な要素で構成されている

【ポイント】

  1. 子どものサイズにあっている

  2. 魅力的な本物

  3. 秩序ある空間

2. 観察と敏感期

  • 先入観を持たず、観察する

  • 敏感期に必要な援助をする

主な敏感期 敏感期が現れる年齢 敏感期の子どもたち
運動1 0~2歳半 基本的な動きを獲得する
運動2 2歳半~4歳半 獲得した動きを自分で調整・洗練させていく
秩序 0~4歳
(2歳前後がピーク)
順序・場所・所有・習慣などが狂うと嫌がる
感覚1 0歳~2歳半 五感を働かせて印象を丸ごと吸収する
感覚2 2歳半~5歳 印象を整理して五感を洗練させる
言語(音声) 胎児~6歳 環境にある言語を丸ごと吸収できる
言語(文字)1 3歳~5歳
(4歳前後がピーク)
文字を書くことが大好き
(爆発期)
言語(文字)2 4歳~6歳
(5歳前後がピーク)
文字を読んで理解することが大好き
4歳~6歳 身の回りにある数的なものに興味を持つ。特に数えることに集中する。
文化 6歳~ 想像力が発達し、より広い世界へ関心が向く
  • 子どもの目的は活動の結果ではなく、その活動そのものにある

3. 提示と秩序感

  • 子どもは誰かにやってもらいたいのではなく、そのやり方を学びたがっている

【提示のポイント】

  1. ひとつに絞る

  2. スローダウン(8倍)

  3. 運動の分析

  4. 動きと言葉をはっきり伝える

  • しっかりと「見て学ぶ力」を養う

  • 秩序感は同じ場所に同じ線を引くような大切な仕事

  • 「ペアリング(同一性)」「グレーディング(漸次性/段階をつける)」「ソーティング(分類)」

4. 逸脱と人格形成

  • さっと手早く上手にしてあげることが愛情

  • 「急き立て」「先取り・命令」「禁止・中断」「代行」「放任」は注意

  • 家事を一緒にする

  • 意識して手を使って何かするものを準備する

5. 正常化

【正常化への4ステップ】

  1. 自由選択

  2. 繰り返し

  3. 集中

  4. 達成感

  • ハートバックが重要ではなくて、作るその過程が重要

  • 状況に応じて、的確な判断を下し、自分自身の中にあるすべての力をフルに使い、臨機応変に対応できる

参考